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林 和彦; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
Applied Surface Science, 237(1-4), p.34 - 39, 2004/10
反射高速陽電子回折(RHEPD)では、結晶ポテンシャルが正であるため、全反射が観察される。全反射領域では、陽電子は最表面原子で回折されるため、多重散乱の効果が無視できると期待される。その場合、RHEPD強度は運動学的な計算で解析できると考えられる。本研究において、実験で得られたRHEPDパターンを運動学的な解析結果と動力学的な解析結果と比較することで、運動学的な解析の有効性について調べる。実験は、Si(111)77表面に20keVの陽電子を入射させて行った。この実験系では、臨界角は1.4である。全反射領域では、1/7, 2/7, 3/7ラウエゾーンのスポットが明るく、特に(0, 1/7)から(5/7, 6/7)あたりのスポット,(9/7, 10/7)スポット,(8/7, 10/7)スポットの強度が強い。運動学的及び動力学的な計算結果からも、これらのスポットの強度が強くなる結果が得られた。運動学的な計算において、考慮する原子数を単位ユニット内の200個から最表面原子の90個に減少しても、その結果に大きな変化はなかった。これは、陽電子の回折が最表面原子でおもに起きていることを示している。これらの結果から、RHEPDにおいて運動学的な解析は有効な方法であると考えられる。